観賞用稲とは

観賞用稲とは何だろう

稲に「食べる」以外の用途があることをご存じですか?

先日、花屋を担当しているスタッフが教えてくれるまで、
恥ずかしながらその存在を知りませんでした。

美しい色に染まった稲穂や葉を観賞して楽しむ、というもので
観賞用イネとして開発された「祝い茜(あかね)」「祝い紫(むらさき)」などが
あるそうです。

観賞用稲に種類がある

食べるだけではない新しいイネの活用方法

農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)
東北農業研究センターが開発を手がけた「祝い茜」と「祝い紫」は、
穂の色がそれぞれ鮮やかな赤と紫に染まることが特徴の観賞用稲。

穂が色づくのは、稲が赤、青、紫を示すアントシアニン系の色素を持っているためですが、
実はこれらの色素を持った稲自体は、それほど珍しいものでもないそうです。
(確かに、以前某大学の研究所で試験栽培されていた古代稲などは
さまざまな色がありました。)
ただ、味の問題や収量が少ないことから食用にはあまり向かず、
日本では多くは生産されてこなかったようです。

在来品種として残っていた稲を元に観賞用の品種が作られ、
九州などで栽培されてきましたが、これらは通常の稲と比べて作りにくいという難点があり、
また、東北など寒い地域では栽培できないものでした。

そこで、育てやすく、東北でも栽培できる品種として、
12年の歳月をかけて開発されたのが「祝い茜」と「祝い紫」です。

観賞用イネは「見て楽しむ」という性質上、栽培過程で茎が倒れると
商品としての利用が難しくなります。
そのため、倒れにくく強い茎を持ち、葉もしっかり立つように改良を加えられているようです。

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さらに、「祝い茜」は、極早生長芒(ごくわせちょうぼう)と対馬在来(つしまざいらい)を交配し、
「祝い紫」は、紫穂(むらさきほ)No.1と対馬在来を交配することで
それまで栽培の難しかった東北での栽培を可能にしたのです。

観賞用稲の稲穂

美しい色を生かしてお土産や花材として販売

祝い事で使ってもらえるようにとの意味を込めて命名された「祝い茜」「祝い紫」は、
切り花やドライフラワーとして、フラワーアレンジメントなどに利用されています。
また、鮮やかな色を生かした正月のしめ飾りも作られ、好評なようです。

秋田県大仙市のNPO法人フラワーデザイン普及協会では、「祝い茜」や「祝い紫」などの観賞用イネを
「秋田きれいね(綺麗稲)」と命名。
毎年15万本が出荷されているというのは驚きでした。

また、イネの美しさを風景として楽しむプロジェクトもあるそうですよ^^
田んぼをキャンバスに見立てて、色の異なるイネを使って絵を描く「田んぼアート」。

田んぼアートの村として有名な青森県田舎館村(いなかだてむら)では、
7色10品種のイネを使って精巧な絵柄を作り上げているとのことで、きっと目の当たりにすると
迫力があるんだろうな・・と想いを馳せています。
こちら、田んぼアートのイベントとして、田植え体験ツアーを実施し、
毎年全国から多くの参加者を集めてるそうですよ。

水田を有効活用して観光資源を生み出す

観賞用イネのメリットとしてまず挙げられるのが、水田の有効活用。
使用していなかった水田を使って観賞用イネを栽培して販売することは、
観光資源を生み出すことにつながっているのではないでしょうか。

実際、田んぼアートのプロジェクトには多くの人が集まり、田舎館村に観光需要を生み出しています。
さらに、メディアなどで田んぼアートが取り上げられれば、地域の知名度向上にもつながるでしょう。

このように、観光資源を生み出し、地域活性化の助けとなる観賞用イネ。
1本1本は小さな穂でも、そこには非常に大きな可能性を秘めているのです。

~写真:観賞用稲のご紹介より

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