前回、土なべご飯の炊き方についてお話ししました。
(⇒土鍋ごはんの炊き方)
では・・・
「なぜ、土鍋ごはんはおいしいのか」
という素朴な疑問について、今回はお話ししたいと思います。
土鍋ごはんがおいしい理由
ゆっくり、じっくり、ごはんのおいしさを引き出す。
「はじめチョロチョロなかパッパ、赤子泣いても蓋取るな」
これは、ご存じ、かまど炊きごはんの火加減の極意。
薪が燃えはじめた時の弱い火から徐々に火力を強め、
そのままじっくりと炊き上げていくのが、おいしいごはんの炊き方です。
この言葉は、炊飯道具として鉄の羽釜が活躍していた時代からの「炊き方」ですが、
金属性の鍋は熱しやすく冷めやすいという特性があり、
熱源である薪の燃え方によって火加減がコントロールされていたのです。
おいしいごはんの秘訣
おいしいごはんの秘訣、それは「10分前後沸騰させると甘昧とふっくら感が上昇する」
と言われています。
ごはんはお米のでんぷんを水と熱の力によって糊化させたシンプルな食べ物。
同じお米を使って、炊き方によっておいしさは大きく左右されます。
お米の持ち味を最大限に引き出す決め手は、
炊飯の時の温度変化と時間にあることがわかっています。
特に、炊き始めから沸騰するまでの間が大切。
この時に10分前後の時間をかけると、お米の甘味がしっかりと引き出せ、
ふっくらとほど良い食感のごはんに炊き上がります。
もし、10分前後より短い時間で急激に沸騰するまで温度を上げると、
甘味が少なく、硬めの炊き上がりになるとされています。
逆に、沸騰までの時間が長過ぎると、甘味は強くなるものの、
水分を含み過ぎてべちゃべちゃした食感になってしまいます。
おいしいごはんと好相性熱の伝導率は鍋によって違い、
土鍋はゆっくりと加熱されるのに対して、アルミなど金属製の鍋は
はやく温度が上がります。
もちろん、同じ土鍋でも厚みなどによって沸騰までにかかる時間はさまざま。
そうした鍋の熱伝導率を考慮して、10分前後で沸騰し
沸騰した後は98℃以上の温度を蒸らし時間も含めて20分ほど維持することができれば
ふっくら甘味のあるごはんとなります。
お米が完全に糊化されて、粘りのあるふくよかなごはんに仕上がるのです♪
このポイントをおさえれば、土鍋以外の、金属製の雪平鍋やフライパンでの炊飯や
アウトドアでの炊飯も難しくありませんね。
お米自体の甘味が薄かったり、硬めだと思ったら、沸騰までの時間を
少し長めにしてみるなど、自分なりのアレンジ炊飯にもチャレンジしてみてくださいね。
蓋の重さが、ごはんを立たせる
ごはんを立たせるそしてもう一つのおいしさの秘密が、蓋の重さ。
羽釜には木製の厚い蓋がのせられますが土鍋の蓋も同様で、これにより
鍋の中の圧力が高まり、シャキッと粒立ったごはんを炊き上げます。
温度がゆっくり上がる土鍋は、素材のおいしさを引き出す
金属製の鍋と土鍋でお湯を沸かし、温度の上がり方を比べてみると、
土鍋はゆっくり上昇していくことがわかります。
この性質が根菜類と米をおいしくする理由です。
炊きたてで米のつぶのひとつひとつがピカピカに輝いたご飯の美味しさは
格別のものがあります。
あの何ともいえないお米の美味しさは、アミラーゼという酵素がお米のでんぷんを分解して
甘みやうまみの成分を作り出しているから。
アミラーゼが一番よく働く40~50℃ぐらいの温度でゆっくり時間をかけて
加熱していくことで、うまみ成分がより多くお米から出てくるのです。
そして、土鍋で炊いたご飯が美味しいのも、このアミラーゼが関係しています。
「はじめチョロチョロなかパッパ、赤子泣いても蓋取るな」
これはかまど炊きでご飯を美味しく炊くときの火加減を伝えるもの。
炊き始めは弱火でゆっくりと加熱していくことを表しています。
さらに、土鍋は火を止めた後も熱さを保っているので、蒸らし時間にも
じわじわと熱が入って、余分な水分がしっかり飛んでくれて米のひとつぶひとつぶまで
ふっくらと、立った状態で美味しく炊き上がるのです。
最近の炊飯器では最新技術によって加熱の仕方や素材を工夫して
土鍋の良さを再現しているものもありますが、
機会があればぜひ一度、土鍋でご飯を炊いてみてください。
こうした味わいに加えて食卓に置いた時の、なんともいえない温かみ、
手作り感も土鍋ならではの魅力です。
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スローフードやパンなどの「手作り」に人気が集まっている昨今ですが
土鍋ごはんの味わい、温かみは
きっとみんなで囲むごはんを豊かにしてくれると思っています。