「早寝・早起き・朝ごはん」という取り組みの延長戦上で依頼を受けることも多い
朝ごはんにおにぎりを、の講座依頼が今年もやってきました。
文部科学省:「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進について
それを踏まえて、
各団体や学校などの教育機関が頑張ってきた運動が実を結んできた、
と考えていいのかを調べている途中ではありますが、日本農業新聞で今月5日、
”高校生の朝食、「ごはん」が「パン」抜き1位に”という興味深い記事が
掲載されていたようです。
朝ごはんが見直されている現代社会
日本農業経済新聞より
Dr.Hisacchiさんという方のブログでも、興味深い記事を見つけました。
(元記事⇒ 1日3食の中で、朝食が最も大切である!! )
yahoo!ニュースに掲載されていたのが、以下の内容です。
朝食抜きは良いことなし 学力低く、 脳出血リスク4割高、冷え性率も2倍に…。
6/11(日) 11:33配信
朝食を食べない人たちは食べる人たちに比べ、学力が2~3割低く、
脳出血のリスクが約4割高く、冷え性に2倍なりやすい。こんなことが最近の調査で分かってきた。
忙しい朝は、つい睡眠を優先して食事を抜いてしまいがちだが、
実は残念な結果を自ら呼び寄せてしまうようだ。■体力にも悪影響
農林水産省が5月30日に公表した「平成28年度食育白書」は、
朝食を食べないことがある子供は小学6年生で12・7%、
中学3年生で16・6%もいると報告した。
中学生、高校生の段階で習慣化した人も2割程度いたという。白書は朝食の欠食と学力や体力との関係も紹介。
文部科学省の28年全国学力・学習状況調査を受けた小学6年生を、
「朝食を毎日食べている」「どちらかといえば食べている」
「あまり食べていない」「全く食べていない」の4グループに分け、
国語A・B、算数A・Bの4科目について平均正答率を比較した。その結果、平均正答率は4科目全てで朝食を食べない児童ほど低く、
全く食べない児童は、毎日食べる児童より2~3割低かった。
平均正答率の差が最も大きかったのは算数Aで、毎日食べる児童が79・2%だったのに対し、
全く食べない児童は19・1ポイント低い60・1%にとどまっていた。また、同省が全国で実施している新体力テストを受けた小学5年生についても同様に、
体力の評価を表す体力合計点と朝食との関係を分析。
こちらも学力と同じ傾向で、朝食を全く食べない児童と毎日食べる児童の差は男子で
4・0点、女子で3・8点だった。■空腹ストレスが一因
一方、国立がん研究センターなどの研究チームは朝食欠食と脳卒中との関係を調べた。
7年以降、全国の45~74歳の男女約8万人にアンケートし、
1週間の朝食摂取回数ごとに▽0~2回▽3~4回▽5~6回▽毎日-の4グループに分類。
平均約13年の追跡調査を行い、3772人の脳卒中発症を確認した。これを分析したところ、朝食を毎日食べるグループに比べ、
週に0~2回のグループが脳卒中を発症した比率は18%高かった。
脳卒中の中でも特に脳出血の発症比率は36%も高かった。一般的に、脳出血発症の危険性を最も高めるのは高血圧で、
特に早朝の血圧上昇が大きく影響すると考えられている。
空腹によるストレスなどで血圧が上昇することも知られている。このため研究チームは、朝食を食べない人は空腹を感じて朝の血圧が上昇し、
朝食を毎日食べる人に比べて脳出血のリスクが高まった可能性があると結論づけた。■冷えている働く女性
朝食の大切さを重視する医学や栄養学の専門家でつくる「腸温活プロジェクト」は、
朝食を食べる頻度が少ない女性は冷え性になりやすいという調査結果を発表した。研究チームは、首都圏に住む20~40歳代の働く女性を対象に、低体温と冷え、
朝食についてアンケートを実施。
32・5%が体温36度未満の低体温であることが分かった。
低体温の傾向は若いほど高く、20歳代は37・0%に達していた。低体温者は、「眠りが浅い」(30・3%)、「胃腸の不調」(18・5%)、
「むくみ」(42・1%)、「太りやすい」(29・2%)などの不調を
日常的に感じていたという。「冷え」については、全体の82・5%が日常的に感じていると回答した。
冷えているような感覚が常に自覚されている状態で、いわゆる「冷え性」だ。朝食を食べる頻度との関係を調べたところ、週の半分以上食べている人の冷え性率は
27・2%だったが、週の半分以下しか食べていない人は約2倍の
55・0%に達していた。冷えを感じる時間帯を年代別に見ると、20歳代が朝の時間帯に感じる傾向が強かった。
20歳代の女性は、毎日朝食を食べる人の割合が54・0%と各世代の中で最も低い。
研究チームは、働く女性は朝食抜きで体が冷えたまま
1日の生活をスタートさせる人が多いためではないかと分析している。■進まない習慣づけ
これらの調査の結果を見ると、朝食の大切さを改めて感じさせられる。
しかし朝食を食べない傾向は、あまり解消されていないのが実情だ。厚生労働省の27年国民健康・栄養調査によると、朝食を食べていない人は
男性14・3%、女性10・1%だった。過去の推移をみると、
ここ10年程度、日本人の朝食欠食率は、ほぼ横ばい状態が続いている。同年の国民健康・栄養調査には、食品購入時に栄養成分表示を参考にしている人は
男性26・1%、女性53・0%との結果も。
ここからは、女性を中心に食と健康への関心が高まっているようにも見える。ところが、健康維持に大切な朝食を食べる人は増えていない。
特に、若年層が朝食を食べない傾向が顕著で男女別の最多は
30歳代男性の25・6%、20歳代女性の25・3%となっている。■バランスも意識を
そこで政府は昨年、32年度までに「朝食を取るのが週3日以下」という
20~30歳代の若い世代の割合を、現時点の24・7%から15%以下に引き下げる目標を策定。
食育に関して5年間で具体的に取り組む内容をまとめた「第3次食育推進基本計画」に盛り込んだ。この世代の食に対する意識の低さは、朝食に対してだけではない。
「主食・主菜・副菜の食事を1日2回以上ほぼ毎日食べる」という割合も
43・2%と、成人全体(57・7%)に比べてかなり低くなっている。だが、20~30歳代は「親になる世代」でもあり、少子高齢化が進む社会情勢を考慮すると、
意識の改革が特に重要だ。そのため政府は、啓発の重点対象と位置づけ、
積極的な情報提供に取り組んでいる。食育の推進基本計画や白書では、栄養バランスに配慮した食生活や、
生活習慣病の予防や改善に気をつけた食生活の大切さも強調している。いくら朝食を食べる習慣をつけても、栄養や健康に配慮したものでなければ意味が薄れるからだ。
ただ、どんな食事が栄養バランスが取れているのかを判断するのは、
一般の人にはなかなか難しい。
そこで国では「食事バランスガイド」の活用を呼びかけている。1日に「何を」「どれだけ」食べたらいいかを考える際の参考になるように、
食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したもので、
農水省と厚労省が共同で作成した。ホームページなどで公開している。その効果については、国立がん研究センターなどの調査で、
ガイドに沿った食事をしている人は、していない人に比べて
死亡リスクが15%低くなることを確認済みだ。同センターは「不足しがちな野菜や果物を積極的に3食規則正しく摂取し、
栄養バランスを保つことが長寿につながる」と分析する。私たちの体を保つための食事は、きちんとしたリズムとバランスを意識することが大切。
健康な生活を送るには、朝食を食べる習慣をつけることが、絶対に必要といえそうだ。
朝ごはんに和食が選ばれる理由
かつおの香り高い澄んだ色の一番だし。
口に含むと感じる、かつおの濃いうま味は、起きたてのぼやけた頭と心に
1つの刺激となるのを感じます。
もともと和食はだし文化。
だしbarというものが流行るほど、私達日本人は
五感の中に「だし」の旨み成分の記憶を、本当は持っているはずです。
かつおの一番だしにはうま味成分、グルタミン酸とイノシン酸が含まれ、
これらは脳内の快楽や幸福感に関係する「脳内報酬系」と呼ばれる部分を刺激することが
明らかになっているのだとか。
美味しいだしで作ったおみそ汁とごはん、焼き魚、のりなどの付け合わせがあるだけで
ちゃんとした朝ごはん形になるほど、大きな存在感があると思いませんか?
朝にパン食がよくないと言われているのは、
パン食は急激に血糖値を上げるが下がるのも早く、この急激な変動が
身体のあらゆる部分に負荷をかけることが、医学はもとより、
アンチエイジング学の常識になっていることが分かっているそうです。
そして、日本人は、血糖値に働きかけるインスリンの分泌量が欧米人の約半分。
それだけに、血糖値が高い状態が続いてしまうとすい臓に負荷がかかり、
糖尿病にかかりやすくなるということで、パン食を抑える動きが叫ばれているのです。
極論と言われればそれまでですが、個食が行き過ぎてしまうと、
”血糖値の急上昇、急低下は、集中力に欠けた、キレやすい子供を作る”
ということになりかねません。
また、パンにぬるジャムやバターは砂糖、油のかたまり・・・。
肥満の原因も作られてしまいます。
地産地消を言われるように、
旬の食材には、うまい自然の摂理で、その時期に必要なバランスがあてはめられています。
であるならば、その土地に育ってきた人間には
その土地ならではの季節を過ごし、習慣を過ごしてきた記憶がカラダにはあるはずです。
私達日本人の身体には、和食が一番合っているのではないでしょうか。
<「朝ごはん」関連過去記事>
⇒日本人は「食べる楽しさ」を知っている
⇒4yuuu! 連載第二弾は「朝ごはんの大切さ」についてのお話しです。
和食の「だし」、外国文化との融合
余談ですが、先日お気に入りのカフェにランチへ行きました。
そこで驚かされたのは、からし菜のリゾット。
この目の覚めるような「グリーン」からは想像もしていなかった
和風だしの旨みとからし菜の持ち味が、うまくコラボしていました。
⇒SNSにも載せたくなるお店「BE NATURAL」は、ココロもおなかも大満足する本気の癒しカフェ♪
だしを見直すことと、朝ごはんを見直すこと。
もしかするとこれらはすべてつながっているのかもしれません。
食事バランスガイドの活用方法
詳細などは、提供元の農林水産省HPへ詳しく記載があります。
ぜひこの機会に、食事のバランスの見直しなどにご利用ください。
早わかりバランスガイド(農林水産省)