トーカチ祝い(ユーエー)は、数え88歳のお祝いで、
本土の「米寿祝い」と同じですが、沖縄では米寿よりもトーカチ(斗掻(トガキ))
と呼ぶ方が一般的です。
トーカチ祝いは、旧暦の8月8日に、親戚一同を招いて盛大にお祝いをします。
(今年は9月8日に当たります)
トーカチ。
沖縄にいて当たり前に耳にしてきたのですが、「米」が出てくる行事(笑)。
その由来などについても少し調べてみました^^
トーカチ
ト―カチとは、旧暦8月8日に行われる八十八歳(米寿)のお祝い。
タライや平らのカゴにお米を盛り、トーカチ(斗掻)を飾り立て盛大にお祝いします。
祝いに来てくれたお客様に1本づつトーカチを配っていた事からに由来するようです。
*トーカチとは・・枡に盛った穀類などを縁の高さにならすのに使う竹製の道具
「斗掻(とかき)」の方言。
17世紀ごろ薩摩から伝わったものらしい、とされています。
そんなトーカチ(米寿)祝いセットのレンタルもたまに行われているようで、
•米寿セット(竹大3本・赤敷物・ひおうぎ)
•ザル
•マスセット(一升枡・五升枡・一合枡)
飾り品やその他のものとして、
•琉歌 米寿用 掛軸タイプ
•あやかり昆布
が揃えられているようです。
これがフルセットなカタチなのでしょうか。
そんなト―カチにちなんだ琉歌があります。
米(ユニ)のトーカチや
切り升(マシ)どやゆる
盛着(ムテイ)のカジマヤゆ
う願げさびら
日本語に訳すると
88歳のトーカチ祝いはちょうどまだ升のすりきりぐらいだけど
もっと長生きして今度は升にこぼれるぐらい盛って
大きいカジマヤー祝いしようねー(おじぃ、おばぁ長生きしてよぉー)
という意味になります。
沖縄では、60歳で還暦、88歳でトーカチと呼ばれる米寿のお祝い、
97歳になるとカジマヤー(風車)のお祝いをします。
トーカチ(米寿)のお祝いの由来についてのお話を見つけました。
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■八つで死ぬ運(米寿祝いの由来) 【本部町】
昔、とても丈夫な八歳になる男の子がいました。
ある時、天から神様が白髪のお爺さんの姿で降りて来ると、
その男の子の手を捕まえて、
「おまえは、体も 丈夫だが八つまでの命と決められているんだ。」
と言うと、神様を祀っている山の方へ歩いて行きました。子供は、急いで家に帰るとお母さんも驚くほど大きな声で
うわぁうわぁと泣き出しました。
「どうした、誰かにいじめられたの。 怪我でもしたの。」と聞くと、
子供は「いいえ、今、白髪のお爺さんから、お前の寿命は
八つまでしかないと言われたんだ。」と答えました。お父さんは、男の子から話しを聞くと、急いで馬に乗って
そのお爺さんを追いかけました。
しばらくして追いつくと、お父さんは馬から降りて地べたに手をつけて
お願いしました。「私の息子の寿命は八歳までだそうですが、助けて下さい」。
白髪のお爺さんは、知らん顔して通り過ぎて行きました。
すると、お父さん はまた馬を走らせて、その人を追い越すと
今度は地べたに頭をつけてお願いしました。
「どうか、お願いします。一人息子の命をもう十年でいいですから延ばして下さい。」
と、お父さんが言うと、
「そうか、それでは何月何日にお酒とご 馳走を持って天の神様にお願いに行きなさい。」
とお爺さんは答えました。その日になると、お父さんはとびきりおいしいお酒とご馳走を
重箱いっぱいに詰めて持っていきました。
寿命を決める神様は、友達と夢中になって碁を打っていました。
人が傍らにいることも気がつかないのでお父さんは持ってきたお酒と
ご馳走を差し出し、二人の前に置きました。すると、二人の神様は酒を 飲みご馳走を食べました。
しばらく経って、碁の勝負が終わったので、お父さ んは
「私の息子は今年で八つになります。
天では八つまでの寿命と決められているそうですが、後十年でもいいですから、
息子の命を延ばして下さい。」と、お願いしました。
「人間の寿命というのは生まれた時に決まっているから変えることはできない。
しかし、私たちは碁に夢中になって酒やご馳走をたくさん食べてしまった。
これは困った。もう一度男の子の命を延ばすことを考えてみよう。」お父さんは、何年延ばしてもらえるのか心配していると、
「それでは、上に八と書いてやろう。」と息子の寿命が書かれている所に、
八の字を書き足しました。
お父さんは、八歳にもう八歳足したのだから息子の寿命が十六歳まで
と思っていると、この男の子は、八十八まで長生きしました。こんなに寿命を延ばしてもらって大変うれしいので、
それから八月八日には 八十八歳のお祝いの斗掻(トーカチ:米寿のお祝い)を
盛大にするようになりました。これは、八八歳の祝いを八十八と書くと米の字になるので、
米を計る時 に使う竹の斗掻(とーかき)に因んでいるということです。(沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授:談)
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私の住む沖縄県、中部のうるま市浜比嘉島では、
88歳になる前の晩に模擬葬式を行うそうです。
そして日付が変わった途端、三線、太鼓が鳴り響きおばあちゃん
(もしくはおじいちゃん)が飛び起きて親族と踊り出すんだとか。
これは、新しい「誕生」を意味するそうですよ。