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スーパーでのお米の選び方、を考える

米の品種
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今回は久しぶりにものすごく長いことをご承知の上で読み進めていただけると幸いです。スイッチが入ってしまいました。

お米のお話を綴ること自体、だいぶ少なくなってしまいましたが、思うところあって「リアルなお米事情」のパート2みたいな感覚で受け取ってくださいませ。

お米を選ぶ基準や、スーパーでの米の選び方の参考になれば良いな。
では、参ります。

量販店のお米事情

日本のお米の銘柄は800種以上もあると言われていますが、実際にはその全ての銘柄を普段目にすることはないと思います。ほとんどの方が量販店でお米を購入する場合、だいたいスタンダードに置かれているのではないでしょうか。

その中で、銘柄が米袋に記載されているものはその袋の中にはその銘柄のお米が入っていますよね。それとは別に、銘柄ではない例えば「味だより」とか「米一選」などの米袋が並んでいます。その銘柄ではないお米はだいたい低価格から中間クラスの価格帯になっています。

新潟コシヒカリ、北海道ゆめぴりか、北海道ななつぼし、宮城つや姫、秋田あきたこまちや特別栽培米として栽培されたものなどなど、銘柄米は一度食べると大体それが好みの味かどうかがわかると思います。

それに対して、千葉コシヒカリ、千葉ふさおとめ、栃木コシヒカリ、鹿児島ひのひかりなど、銘柄として存在するのは、見ているとほとんど新米時期のみ(収穫し、その年の12月31日までは新米と表記可)なことに気がつきました。

新米と表記できる間はそれだけでウリとなりますが、それをすぎると在庫を抱える米屋としてはさばきにかからなくてはいけません。早いところではその年の6、7月には沖縄は鹿児島、種子島、宮崎のお米が新米として出始めるからです。

早く出てきたお米は、10、11月頃からゆっくり出てくるお米に比べて若干味の落ち方が早いです。それも合わせて最初は初モノ価格で高かったものが、ある程度お米が出揃うと安定してきます。
初モノとして出回るお米自体そんなに収穫量はないので早くにはけてしまうものもあるのですが、中にはある程度の収穫量があったもの、あるいは販売見込みとして仕入れたものが存在してきます。

銘柄米単体としてある程度認知度があるものに関しては、そのまま出すことが多くなりますが、それ以外のお米に関してはブランド力がなくなっていく・・・そこで登場するのがブレンドです。

お米のブレンド、良いの? 悪いの?

本来ブレンドとは、特徴を掛け合わせることでさらにおいしさのバランスが整ったものに仕上げる技術なのですが、近年はいかに価格を抑えてある程度の味に仕上げることができるかの方へ寄っています。

ブレンドのタイプでよく見かけるものは、新潟コシヒカリ+別産地のコシヒカリ=コシヒカリブレンド、新潟コシヒカリやコシヒカリは多くの方が「美味しいお米」と認知しているブランド力があるので売りやすくなります。

低〜中価格帯のお米となると、今年であれば令和4年産の銘柄米+その他と記載されているのが多くなります(中には前年度の令和3年産ブレンド、100%それの場合もあります)。その他というものが曲者で、他は何が入っているの!?となりますよね。

まずそこには「検査米」というものが登場します。こちらに関してはまた説明が長くなるので以下のリンクをご参考くださいm(_ _)m
▶︎ お米の「等級」って何だろう
検査米同士をブレンドする場合、例えば、新潟コシヒカリ5割・千葉ふさおとめ3割・埼玉彩のかがやき2割というように、その全てが表示できます。

その他となるものは、検査を受けていない(価格を抑えるため、あるいは検査米としての基準を満たしていない)ものとなりますし、その全てが未検査米や古米だったりなどであえて表示したくない場合には「国内産 十割」という表示となります。

なので、銘柄米以外を購入し、米袋にある表示ラベル内容がブレンド米の場合には表記されているお米が好みのものかで選ぶと大きく味に不満が出ることは避けられます(笑)。

ただ、国内産のみの表記だった場合、並んでいる中でも低価格帯となることが多いです。味に重きを置くか、価格に重きを置くかでそこは分かれますのでご自由な判断でもちろん構いませんが、見た目で判断できないことが多いと思うので味に重きを置く場合にはなるべく避けた方が無難です・・・。

2,000円以上のお米は大抵安定しているので、「これくらいの値段の方が間違いない」と言う方がいて納得した記憶があります。

分かっているんだけど、でも、できれば「安くて美味しいお米」が良いです!というのは当たり前の声だと思います。だってお金を出して、しかも5kgという量で失敗したくない。私だってそうです。過去記事「おいしいお米の選び方」では、次のような混乱するようなことを言っていますww

お米を選ぶ基準としては
・食味値(掲げられている点数)の高いものを選ぶ
・価格の高いもの
・目につくもの
・精米年月日の新しいもの
・産地
などがあるかと思います。

以前に比べて減ってはいるのですが、“こしひかりだから美味しいだろう” “高いから美味しいだろう”というのは、実はあまりあてにならないということを覚えていてください。

そして 混乱させるつもりではありませんが(笑)、同じ品種でも、生産者・産地・天候・栽培方法などでその味は変化することも多いのです。

さらに、炊き方や食する側の体調、そのときの季節(気温)でも、味が変わったように感じることもあるのがお米という食材なのです。

ということは 1つ1つ紐解いていくと、「お米を選ぶ」ということは 実に奥深いものだということにお気づきでしょうか。


今の私が、過去米屋の立場としての目線90%だった過去の私の説明を見ていてももちろん納得はしますが・・・。そう、そこで思うのが以前綴った「リアルなお米事情」

「じゃあ、結局どれをどう選んだら良いの」です。

私自身のお米事情

ここで、最近の私のお米事情を少しだけ遡っていきます。

コシヒカリ系が好きな私は新米時期に、比較的安かった栃木コシヒカリを購入しました。が、期待値が高かったのか、口当たりは若干ボソボソ、香りも弱いというものでした。そこで改めて産地で異なる食味を再確認。
しばらくして、新米の佐賀ひのひかりに出会いました。炊飯中から漂う期待大な香り、口当たりも比較的滑らかで控えめではありますが、甘みも感じられました。

そのあと、茨城あきたこまちの新米が佐賀ひのひかりより少し値段は上がるものの「久しぶりに香り強めなもの買ってみよう」と思い購入。しかし、またそこで産地で異なる食味を再々確認する思いをすることになりました。

口に合わないお米を5kg消費するって本当に切ないです。ここで私のまず ”選ぶポイント銘柄” が決定、ひのひかり推しです。

そして先日。

いつものように怪しく米コーナーをうろうろ。たまに家にお米があるときに限って、熊本阿蘇コシヒカリや富山てんたかくなどを見ていたので残念な思いをしばしばしていました。

その日は「銘柄米ラインナップ変わらないな」と一通り眺めた後、銘柄米で無いものを1つ1つひっくり返して表示を見ていました。

このお米にたどり着いたときに

「おお!4年産のひのひかり入ってる!」

お米ちゃんずの顔も良い感じだったので、こちらに決めました。産地でお米の味は変わりますが、このひのひかりは九州で栽培されている銘柄なので、いわばその土地にあるように改良されたお米というのが、今回そこをこだわらなかった理由です(ちなみにコシヒカリはほぼ全国区で栽培されているので、産地によっての味の違いが顕著に現れます)。
▶︎「九州産のお米」

裏切りなく美味しかったです(泣)。

いつものお米より200円ほどしか変わりませんが、まるで「当てた」気分でした。服や嗜好品の2,000円は使っちゃうはずなのに、お米は高く感じてしまうマジック・・これは米屋を退職し量販店で買うようになって、今まで訴えていた側だったのが、感じる側になったものです。

要は確信のないものを買うのは怖い、ということな気がしてなりません・・・。

スーパーでお米をどう選ぶべきか

ここでお伝えしたいのは、まずあなたの好みのタイプをはっきりさせましょう、ということです。

お米をどう選ぶかということは、お米とどう向き合うかなのだということに気がつきました。本当であれば食べ比べワークショップなどを開催していきたい(したい♡)ところですが、そうもままならないので、ここはご自身で最初は試していきながら探していただく必要があります。

お米の味・食感は、「甘みがあるかどうか」「もちもちしているかあっさりしているか」「しっかりしているか柔らかいか」がポイントです。

余談ですが、お米の甘みや香りって何?という質問を受けたことがあります。お米の主成分は「デンプン」、これを唾液に含まれる消化酵素が分解するので ”よく噛む” ということが「甘み」というおいしさを感じるポイントの1つです。

なので、それらを感じたい場合はとかく一瞬でもご飯に意識を傾ける必要があります。口に入れる前にご飯のツヤ感を見て、口に入れる瞬間の香りを意識してみて、その後よく噛んで甘みがあるか、口当たりがざらついたりボソボソしていないかを感じます。文字にすると長たらしいのでめんどくさく見えますが、意外と簡単にできるので試してみてください♡

ちなみに、あくまでも私の現時点量販店に並ぶもので目安にしてもらうとするのであれば
・甘み、もちもち派〜東北産のコシヒカリ
・香り、見た目は〜ひのひかり
・あっさり、ややかため派〜富山コシヒカリ、北海道ななつぼし
です。それ以外で見かける機会があれば
・秋田あきたこまち
・京都キヌヒカリ
・阿蘇コシヒカリ
はおすすめ部類です。

一番美味しいお米は何か、というのをズバリ言えると良いのですが・・。こればかりはズバリ「これが一番美味しいよ!」と言いづらく感じます。それぞれの好みがあるので私が好きな味があなたの好きな味であるは限らないからです。

なので、ここでは全体的に考えて、そこに私の好みを少し足したものをおすすめとさせていただきます。ちなみに、今狙っているお米は、TVでも放送されていたスーパーにはしばらく並ばないかもしれませんが、「秋田県産サキホコレ」というお米です。この辺はミーハーです・・とりあえず話題になっているものや新しい銘柄は一度は試してみたい派です(お米限定)。


令和4年 秋田県産サキホコレ

令和4年から新発売、開発に11年(だいたい新品種開発に10年ほどかかります)、「コシヒカリを超えろ」をコンセプトに開発されたお米。

特徴として書かれているものは ”白さとツヤが際立つ外観、粒感のあるふっくらとした食感、上品な香り、かむほどに広がる深い甘み” と、いわゆる「美味しいお米の特徴」として掲げられるものなので、私個人的には、やはり一度自分で食してみないとどうこうは言えません。

手に入れ次第、その感想も綴っていきますね♪ こちらは少々お高め価格なので、常食用として選ぶかどうかも視野に入れてみていこうと思います。

そんな、お米業界を去ってもなお、やはりお米が気になる私。実はここ1年ほどは、思うとその興味があることから無理やり目を背けようとしていたのかもしれません。好きなものは好きなんだ、と(これまでに何度あったんだろう・・)開き直って言える自分でいようと感じました。

そう思う機会となったので、今回このお話をさせていただきました。お米の話で熱が入ると長ったらしくなるのは相変わらずなようです。ここまで読み進めてくださったあなたは、同じ変わり者部類に入るかもしれませんが、心から感謝いたします。

気づきがあれば、また綴っていきますね。

・・・・・おまけ・・・・・

沖縄にセブンイレブンが初上陸した数年前。コーヒーやおにぎりはセブンイレブンが一番美味しいという声が多発していました。そこで行ったのは、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの3社のツナマヨおにぎりとシャケおにぎりの比較(笑)。

右側画像はシャケおにぎりで、左側画像がツナマヨ、どちらも左からファミリーマート・ローソン・セブンイレブンとなります。そして面白かったのが、それぞれの会社でこだわりアピールポイントがお米や海苔、具材などと異なったことでした。

例えばシャケだと、ファミリーマート「藻塩熟成 紅しゃけ」ローソン「粒立ちごはん」セブンイレブン「二晩熟成 九州有明海産焼き海苔」。同じ商品でアピールポイントを変えているのは当たり前かもしれませんが、妙に感心した思い出です(2019年時なので現在は変わっているかもしれませんので悪しからず)。

・・・・・おまけ2・・・・・

過去米屋の立場としての目線90%だった過去の私が共著で出版したお米の本です(笑)。

お米の世界へようこそ
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新刊「お米の世界へようこそ」、出ました