とかく、日本人はお米(ごはん)に、
米本来の甘さと香りとつや感、もっちり感を求めます。
「美味しいお米は?」と尋ねられた時に出てくるのは、
甘い、ふっくら、もちもち・・そいうう感じではないでしょうか。
その中で、甘さと香りとつや感は、一目瞭然ですよね。
では、もっちり感ってなんぞや?
今日はごはんの「もちもち感」について
お話したいと思います。
「ご飯」を表現する言葉
今、皆さんの頭の中にはどんな「ごはん」が出ましたか?
もう一度聞くことになりますが、「美味しいご飯」と言えば
みなさんどんなごはんをイメージしますか?
イメージできた方には、簡単だと思います。
イメージできなかった方は、さっきの画像を眺めてみてください。
さらに、このご飯の画像をみていると、どんな言葉がでてきますか?
つやつや
ぴかぴか
あつあつ
ふんわり
甘い
旨い
粘りがある
しっかりした食感
まっしろ
香ばしい香り
もっちり
あっさり
人によっては、まだまだでてくるかもしれません。
そう、日本人くらいだと思います。
1品種の対象にこんなに多種多様な「表現方法」が持てるのは。
日本語には食感を表す言葉が多く、その言葉も時代によって変化しているそうです。農業・食品産業技術総合研究機構・食品総合研究所の早川文代氏が行う日本語の食感表現についての研究によれば、「もちもち」は平成になってから使われるようになった表現で、近年のパンや麺の食感の流行とともに広まったというから驚きました。
また、日本語には「ねばねば」「ねっとり」など
粘りを表現する言葉が多いと言います。
「もちもち」もまた粘り気があることを表す言葉。
私たちは「もちもち」が大体どんな食感なのかをイメージはしているのですが、
具体的にどんな感覚なのかを表すのは難しいと思いませんか。
食感を研究する明治大学農学部教授の中村卓氏によると、
「食感は噛んだ時に感じるもので、私たちは噛みごたえで
『もちもち』を感じているのです」と言う。
「もちもち」は柔らかいけれど、のびて噛み切るには力が入る感覚だ。
似た表現の「もっちり」は一噛みで噛み切れるが、「もちもち」は
複数回噛んで噛み切れる感覚
だと説明しているそうです。
ご飯の「もちもち感」とは
なぜ大半の日本人はおいしいお米にもっちり感を求める、のでしょうか。
外国では、この日本のお米の特徴を嫌がることもあるようです。
この場合は、ずばり!!!
>料理に合わないから
これに尽きるでしょう。
チャーハンにもっちりしたごはんを使ったら?
ご名答、くっつきます。
団子状になり、見た目も食感も良くないと思います。
リゾットやパエリアでは?
同じく料理に合わないのです。
ご飯の「もちもち感」の正体
日本人の「主食」として迷わずあげられるお米。
ルーツは今から6000年ほど前、インドのアッサム地方から
「イネ」の栽培が始められたと言われています。
それからどのようにわたってきたのかは、いくつかの仮説があるのですが
わが国で最初に栽培されたお米は「赤米」と言われています。
赤米はその名の通り赤い米粒で、普段食べているお米と同じ「うるち米」の仲間で、
炊くと薄くピンク色に色づきます。
(「黒米」は粒が黒っぽい米で「もち米」の仲間です。古代米や紫黒米とも呼んでいます)
お米や雑穀は植物の種、その粒の中には
次世代の命が誕生したときに使うためのエネルギーを
でんぷんとしてたくわえています。
「うるち米」と「もち米」の違いはでんぷんの性質の違いで、
でんぷんは、アミロースとアミロペクチンとで構成されています。
アミロペクチンが100%、アミロースが0%の米が「もち米」
アミロペクチンの含有量が65~85%で、
アミロース分が15~35%の米が「うるち米」。
アミロースの量で粘りが多いか少ないかという感じでしょうか。
アミロースとアミロペクチンという化学的に異なった構造をしていて
アミロースというのはブドウ糖が直列につながった構造をしています。
アミロペクチンはアミロースよりたくさんのブドウ糖が枝分かれしながら
複雑につながっていて、大半の方が「おいしい」と好むのが、この
もちもち感のあるごはんなのです。
ちなみに、この大きくて枝分かれしている構造が「腹持ち」の秘訣らしいです。
実は、このもちもち感のあるお米は、
うるち米ともち米の偶然できたハーフみたいなものだったそうです。
この種子をもとに研究を重ね、改良してきたのが今の品種たちということ。
その代表格がコシヒカリ、その子供たちとして、あきたこまち・
ひとめぼれなどが続きます。
そう、よく耳にする品種のほとんどがコシヒカリの血をついでいる
ということになります。
もちもち感の正体。
なんだか難しい話となってしまいましたが(汗)
なんとなくわかっていただけたでしょうか?
もちもち感の正体。
それは、
お米に含まれるアミロースとアミロペクチンの含有率の違い。
日本人はもともと粘りのあるものが好きな民族。
だから「もちもち」という食感も好きだと言われています。
よく海外で食べた米がまずかったという話を聞きますが、
多くの場合、その理由は米の品種が違うから、なのです。
私たちが普段食べているジャポニカ米は粘りが強い種類。
粘りのもととなるアミロペクチンというデンプンの含まれる割合が高いから。
海外で多く食べられているインディカ米は粘りが少なくパサパサしているのは、
こちらはアミロースというデンプンの含まれる割合が高いから。
考えると、そのルーツともなるお米から、日本人だけが追い求めた
「おいしさの形」。
偶然から生まれたおいしさを、気が遠くなるような品種改良を繰り返し
常に口にできるように、との結果、今に至るわけです。
もちもち感代表のお米と言えば、ミルキークイーンだと思います。
<ミルキークイーン関連記事>
「お米」に見るドラマ
いろいろなお米のタイプと上手な付き合い方
お米に関しても、色々なタイプの米があります。
玄米、雑穀入りの胚芽米、白米、その時その時の自分の食べたいものを
食べてみませんか。
玄米がからだに良いとか、白米がからだに悪いとか、そんなことではなく
調子や気分にあわせて、品種や精白度合いを変えたりして、
主役たるお米で楽しむのもまた「おつ」ですよ♪
米屋をしてると、必ずぶち当たるこの一言
「お米って、太るから抜いてるのよね~」
実際、米屋に来てその言葉を発するのはすごい勇気があるのか
何も考えてなかったのか(笑)、と
聞いているこっちが躊躇するフレーズです
数々のダイエット法がある中で
もっともメジャー(?)なのが、炭水化物抜きダイエット。
悲しいかな、お米って
家計で食費から真っ先に減らされちゃうし、
ダイエットするときも真っ先に減らされちゃいます。。
まぁ、家計は置いといて
ダイエットでまずご飯を抜く人の共通点は
「ごはんが好き」ということ。
私には辛いです、この方法は(▽//:)
一般的に、お米は太らない、とか
栄養的にバランスが良いとか、
そういう素晴らしいことばかり言われているかたわら
なぜ、真っ先に避けられちゃうのでしょうか?
簡単です。
ご飯を抜いたダイエットでは、イコール
全体的な食事の量なども減ってませんか?
併せて、意識しているということで
自然とカロリーの低いものを選んで口にしていませんか?
それが重なって
「お米を抜くと痩せる」となるのです。
(「炭水化物」検索ページ一覧)
健康やダイエットに良いとして「玄米」を選ぶ方も多いでしょう。
ただ、
・炊き方がめんどくさい
・美味しくない(家族が嫌がる)
・ちゃんと噛んで消化、吸収しなければ意味がない
・体質に合わない方もいる
という面で、こちらもすべての方にお勧めというワケにはいきません。
そんな場合は“雑穀”をお勧めします!
白米にプラスするだけで
色合いも可愛いらしくなるし、栄養価もアップします。
また、食物繊維なども豊富で
体に必要な栄養素もかなりふくまれています。
手軽に混ぜられるだけのものからスタートしてみましょう♪
ちなみに
ウチでは、子供たちが黒豆が嫌ということで
それの入ってないものを選んでいました。
自分家流の雑穀ブレンドをされたものを探すのも
楽しいですね。
美肌には、ハト麦。
鉄分・カルシウム・食物繊維がダントツな、アマランサス。
という風に
・お米の持つブドウ糖が脳の栄養になる
・噛むということが脳への刺激になる
・ご飯食=温かいメニューが多いので、カラダを温めることになり
一日のスタートをスムーズにする
単純に、子供にとって朝にご飯が良いといわれている理由です。
また、腹持ちが良いとも言われていますが、
すべてにおいては「きちんと噛む」ことを意識してくださいね。
流し込むような食べ方(一時、忙しい時期にはそうしてた私もいましたが)
を、なるべく意識してみましょうね。
食べることを「意識」する
そう、「意識する」ことが一番の秘訣かもしれません。
少し前に“書くだけダイエット”なるものが流行りました。
-日記などに、今日一日口にしたものを書き出す-
ただそれだけなのですが、人気がでました。
書くだけ、そして気をつけるようになる
ということは「意識する」ことに繋がったことが
このダイエットで成功した方のポイントだったと思います。
少しだけでも頭の片隅にそういうコトバがあると、
自然と意識するものなので難しいことではありません。
なので、今日このブログを読んでくださっている方の
頭の中には、無意識にインプットされてることと思います(笑)。
いづれにしても
「~過ぎ」を改めるだけで、だいたいの部分は解決していくのでは
ないかと考える今日この頃です。
油抜きダイエットも
全くのゼロにしてしまうと健康障害が起こります。
食事抜きも過食も、
もちろん摂食障害から、精神的な問題にまで及ぶことがあります。
単品ダイエットも
長期間続けると、からだが悲鳴を上げます。
あなた自身の「からだ」が
悲鳴を上げ始めるのです。
こうくると、なんだか脅し文句みたいになってきてしまいましたが
単純に「意識しましょう」これに尽きます。
・雑穀の検索ページ一覧⇨「雑穀」関連記事
・玄米の検索ページ一覧⇨「玄米」関連記事
・胚芽米の検索ページ一覧⇨「胚芽米」関連記事
・分づき米の検索ページ一覧⇨「分づき米」関連記事
と
ここまできて思い出したのですが、
最初にお話しした「もちもちしたお米」についての補足です。
もちもち感の強いお米が
実は、お米の消費量を下げているということを耳にしたことがあります。
「マジっすか!?」と思いながら、少し考えてみました。
もちもち感の強いゴハンは、それだけで、けっこう満腹感が得られます。
「あと一口、あと一膳で食糧自給率アップ」
とされているということは、一口・一膳減る、というが
食糧自給率・お米の消費量の低下に繋がっているのか??
でも
品種改良で重視されるのは、私たちの大好きな、
「甘みがあり、もっちりしているお米」
なのです。難しいところですね。
でもでも!
もちもちしたご飯は、おにぎりにぴったりです。
食べ応えもあるので、お弁当にもおすすめ。
もちもち感を生かしたお米レシピ
先ほどからお話に出ているミルキークイーンで、
たぬきむすびを作ってみました。
揚げ玉と刻んだねぎをめんつゆで合わせ、
それを炊いたご飯(もしくは温めたご飯)に混ぜて握るだけ!
すごく簡単なのに、講座でもファン続出なおにぎりでした。
(だいぶ前に、グッチ裕三さんのレシピ紹介で見つけたものです)
仕上げにゴマやかつお節をふりかけると、
さらに香ばしさも増して美味でした。
↓こちらは、もち米の代わりにミルキークイーンを用いたレシピです。
簡単!サムゲタンレシピ♪
こういう「ご飯が美味しいレシピ」などがあると、
”消費が減る・・”という悩みも少しはへるのではと考えています(笑)。